大腸ポリープとは
大腸ポリープの症状
大腸ポリープはほとんど自覚症状がありません。腸など硬い便の通り道にできた場合、擦れて出血することがある程度です。出血も少量のことが多く潜血便となりますので、健康診断などで偶然見つかることがありますが、ポリープが小腸よりの柔らかい便が通過する部分にできているものや、小さくて隆起のないポリープの場合、便潜血検査でも見つかることはありません。
そのため、大腸ポリープを確実に発見できるのは、大腸カメラ検査だけです。ポリープができやすい40歳を過ぎたら積極的に大腸カメラ検査を受けることがおすすめです。
大腸ポリープ切除
ただし、大腸ポリープが大きい場合や数が多い場合は、入院施設のある連携の医療施設を紹介し、そちらで手術を受けていただくこともあります。
大腸ポリープ切除方法
大腸ポリープには、形状、大きさによっていくつかの切除方法があります。また、日帰り手術で切除可能なものは、大きさ6mm~10mm程度のもので、数は5個ぐらいまでとされています。それ以上の場合、出血の可能性などが高まりますので、入院設備のある医療機関で切除手術を受けていただきます。切除したポリープは、病理検査を行い、確定診断を行います。
コールドポリペクトミー
ポリープにスネアをかけ、締め付けて切除します。通電をしないことで、粘膜下層などへの侵襲が無く、術後の合併症リスクの低い方法です。
切除後は出血がありますが、少量で自然に止まる程度です。安全性の高い切除方法ですので、当院でも、適用可能なポリープであれば、この方法で切除を行います。
内視鏡的粘膜切除術
スネアをかけることができない平坦なポリープで用いられる方法です。粘膜下層に生理食塩水を注入し、ポリープを浮かせるようにして、人工的に茎を作りそこにスネアをかけて切除します。この場合、生理食塩水が緩衝地帯となり、通電しても熱の影響が下層以下に及びませんので安全な切除が可能です。
大腸ポリープ切除後の注意点
大腸ポリープ(腺腫)を見つけた場合、基本的には、その場で切除する日帰り手術を行うことになります。日帰りと言っても手術ですので、その後の出血などの合併症を避けるために守っていただきたいことがあります。事前にも詳しく説明しますが、およそ以下の通りです。
脱水や低血糖予防
大腸カメラ検査は、事前の食事制限や当日の下剤使用、絶食などによって、脱水や低血糖の症状を起こしやすくなっています。一般的には検査終了の1時間後から飲食が可能になりますので、すぐに適量の水分補給や糖分補給を行ってください。
食事
午後の切除の場合、夕食から摂りはじめてください。その際は消化の良い食事にしてください。また、翌日から数日の間は脂っこいものや刺激の強い香辛料などは避けるようにしてください。
飲酒
飲酒によって血管が広がり、出血のリスクが高まります。そのため手術後1週間は禁酒でお過ごしください。
入浴
切除当日は、シャワーなども控えてください。翌日からシャワーは可能ですが、入浴は数日間控えてください。
運動
ポリープ切除を行った翌日から、散歩程度の軽い運動は可能です。しかし、ゴルフ、テニスなどお腹に力を入れる運動、ジョギングやエアロビクスといった激しい運動は1週間程度禁止です。
旅行や長時間の運転
切除後1週間程度は、長距離の移動や長時間の運転は避けてください。特に飛行機による移動は気圧の変化の影響で出血リスクが高まります。また遠方にいることでもし合併症などがおこっても、適切な治療を行えないこともあります。
ご旅行や出張のスケジュールがある場合は、事前にお知らせいただければ、検査のみ行い後日切除を行うことも可能です。