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大腸憩室と大腸憩室炎について

2021.05.13/院長ブログ

まずは大腸憩室(だいちょうけいしつ)と大腸憩室炎って何? 
大腸憩室とは、腸管の外側に向かってポケットが出来てしまった状態です。
生まれつきできる方(先天性)もいますが、大人になってから出来る方(後天性)が多いです。憩室の数も数個に人もいれば、10個以上できる方もいます。
大腸憩室炎は、このポケットの部分(憩室)に細菌が繁殖して炎症が起きている状態です。憩室には便が詰まってしまう事が多く、通常は出て入っても繰り返し問題ないのですが、便が詰まってしまうと、炎症してしまいます。
大腸憩室の原因は、食事の欧米化が要因と言われていて、食物繊維が少なく肉が多い食事はリスクになるという指摘があります。食物繊維の摂取量が少ないと便秘になりやすく、便を出す時に力を込めてふんばるようになるので、大腸内の圧力が高まり、腸管の壁の弱い部分が押し出されてしまい憩室ができるといわれています。アメリカでは、60歳以下の50%、80歳以上ではほぼ全員に大腸憩室が見られるともいわれており、近年は日本においても食生活の欧米化に伴って、患者数が増えています。
大腸憩室は、特に血管が通る部分は筋肉が薄く飛び出しやすいと言われ、お腹の場所としては、右側のおなか(盲腸、上行結腸)と左下腹部(S状結腸)に多いとされています。ちなみに日本人の場合、大腸の中でも右側の結腸にできることが多く、年齢が上がるにつれて左側の結腸にも発生する確率が高くなるといわれています。普段は、憩室自体はただのポケットなので、ほとんどの方は無症状です。時々、お腹が日常的に張るという方もおられます。
大腸憩室炎の症状は?
炎症を起こしてしまった憩室の部位に応じて腹痛が生じます。発熱、嘔吐、吐き気を伴うこともありますが、感染性腸炎のように、大腸全体が炎症にはならないので、腹痛が強いにも関わらず、下痢症状がほとんど無いのも特徴です。右側結腸に憩室炎が起こると、急性虫垂炎との鑑別が重要になります。
大腸憩室炎の検査、診断は?
当院では、問診や診察、下痢の有無などの症状から憩室炎を疑うことが多いです。重症なときには病院の紹介をさせて頂き、採血やCTが必要な場合もあります。また、ガイドライン上では、大腸憩室炎治療後には、大腸憩室症以外の病変を否定するため、大腸カメラを行うことが推奨されています。
大腸憩室症自体は大腸内視鏡(大腸カメラ)の時に、偶然指摘されることがほとんどです。
大腸憩室炎の治療は?
軽症の場合には、抗生物質の内服を行います。
腹痛が強い場合、採血での炎症反応が高い場合など入院治療が必要な時は食事制限や腸管安静のために絶食にすることがあります。入院の際には、抗生物質は点滴で投与することが多いです。汎発性腹膜炎(腹部全体に広がる重症の腹膜炎)では緊急手術が必要となることがあります。治療期間は、軽症であれば外来の治療で、5日程度で改善することが多いですが、悪化することもあります。
悪化の兆候があった場合は、入院に切り替え1週間~10日くらい治療を行います。前述のように穿孔し手術になった場合は、2週間~1カ月程度の入院のケースもあります。
検査・診断
血液検査で体の炎症反応やその程度を確認し、CT検査や超音波(エコー)検査で大腸のどの辺りで炎症が起きているか、虫垂炎ではないことを確かめることで診断できます。大腸憩室そのものの存在を調べるには内視鏡検査で確認をします。ただし、炎症が強い時に行うと腸管に穴が開いてしまい、悪化するリスクがあるため、炎症が治まるのを待ってから実施します。
大腸憩室の予防と治療後の注意
根本的には、大腸憩室ができないように心がけることが重要です。年齢的な要因でできることもありますが、食物繊維が少なく動物性のタンパク質や脂肪が多い食事はリスクを高めるといわれているので、食物繊維を多く含む食べ物を積極的に取り、できるだけ便秘になりにくい体質をめざすことが予防につながります。また治療後の再発予防にもなります。

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