咽喉頭異常感症ってなに?
日常診療では、「体調がわるい時、最近のどに詰まった感じがある」、「ストレスが多いと、のどに小さなボールがあるような感じが治らない」という、症状でご相談されることがあります。その不快な症状の正体は、もしかしたら咽喉頭異常感症という病気かもしれません。
咽喉頭異常感症は、体調が優れない時やストレスを感じると、「喉元に詰まった感じ」を感じる症状です。からだはストレスを感じると、頭痛や胃痛、下痢、便秘など、さまざまな症状が出ることがありますが、咽喉頭異常感症も体調が悪いときのバロメーターの症状の1つです。以前は”ヒステリー球“という別名がありました。
「のど」の仕事の1つは、食べ物(固形物)、飲み物(水分)、空気を一瞬にして、仕訳けて食道や気管支に流します。これに失敗してしまうと、誤嚥性肺炎になってしまうため、常にセンサーとして神経が張り巡らされ仕事をしています。この神経がストレスなどで過敏になってしまうと、「何もないハズなのに、のどに何かがある!!」と違和感が生まれます。
患者さんは、喉の違和感、異物感、絞扼感、閉塞感、ゲップなど感じ方は人それぞれです。
診察ではどのような事を聞かれるの?
問診で症状を伺う事が多い質問(セルフチェック)としては、
- どのような症状があるか?
→圧迫感、詰まっている感じ、からむ感じ、何かが張り付いている感じ、イガラっぽい感じ、すっぱい感じ、痛みがある感じ - 症状はいつからあるか?
- どのような時に起こるか
→ストレスを感じる時、風邪を引いている時、飲み過ぎ食べ過ぎの時 - 1日の中での症状の変化
→症状が特に強く出るとき、また、症状を感じないとき(忘れているとき)はいつですか?
就寝前や起床時、食後、職場や学校にいるとき、リラックスしているとき - ほかに以下の症状はあるか?
→胸焼け・ゲップ・胃酸の逆流(呑酸)・おなかの張る感じがあれば、逆流性食道炎の可能性があります
→鼻水・鼻水がのどに降りる・鼻づまりの症状があれば、後鼻漏の可能性があります
どのような検査をするの?
検査・診断は、のどの不愉快さがでる他の病気、逆流性食道炎、食道憩室や咽頭・喉頭内に腫瘍や狭窄の有無を除外する必要性があり、胃カメラや喉頭スコープで喉の観察を行います。特に検査で詰まりの原因となるような大きな問題点がない場合には、次に治療を行います。
どのような治療があるの?
当院でお勧めしている治療は、効果があり、副作用や眠気を避けるため、漢方薬(半夏厚朴湯や茯苓飲合半夏厚朴湯、柴朴湯など)です。粉薬や漢方薬が苦手な方、漢方では効果が薄い場合には、抗不安薬などを少量で処方することもあります。また、比較的頻度が高い逆流性食道炎の可能性がある時には、胃薬を処方します。
当院は胃カメラで咽喉頭や食道の観察ができ、また漢方も積極的に処方していることから、咽喉頭異常感症でお困りの方は、一度ご相談ください。