カゼの季節が到来しましたが、来週からWHO(世界保健機関)が定めた世界抗生物質啓蒙週間(11/16-11/22)が始まります。
「風邪」の90%はウイルスが原因です。ウイルスには抗生物質は全く効きません。1日でも辛い発熱や咳を治したいと、医師自身がカゼを引いた時にも強く思いますが、抗生物質をいきなり服薬することはありません。
抗生物質が必要なバイキン(細菌)の風邪は比較的少なく、また抗生物質は健康寿命を管理していると言われる腸内細菌にも悪影響が生じます。自分が本当に必要なときに抗生物質が効かなくなる危険性もあります。
この啓蒙活動は、国際機関や世界各国で大規模な取り組みとして始まっています。
抗菌物質の適正使用は医療者や医療機関だけが取り組んでもうまくいきません。もちろん、抗生物質が必要な風邪もありますが、患者さまも含めて、さらなる耐性菌の出現を防ぎましょう。